資産運用前に知りたい『金利』の知識
金利に詳しくなると得する3つのこと
①住宅ローン選び、お金の運用が上手になる
金利のしくみや金利変動の背景がわかれば、日本の景気や金利の動きを予想でき、ビジネスや資産運用において的確な判断が下せるようになります。
②経済が先読みできるようになる
金利を頭におき、経済・金融ニュースをみると理解度が高まり、社会をみる視野も広がります。
金利はさまざまな要素と密接に結びつき、その仕組みは単純ではありません。
要素とは、景気、物価、為替市場、株式市場、日本銀行の金融政策、政府の財政政策などの現状と将来の見通しです。
おすすめとしてはGOLD(金)を中心に金利を見渡すと良いかと思います。
サッカーと同じで、全体のルールを一気に覚えるのではなく、一人の選手を中心に追いかけて見ることで全体が理解できてきます。
③金融詐欺に遭うリスクが減る
「お金持ちになりたい」と人は誰でも望むかと思います。
2009年には円天事件で約5万人が被害に遭いました。
これは健康食品販売会社エル・アンド・ジー(L&G)が「年間36%の配当」という嘘の約束をし、多額のお金を集めた詐欺事件です。
脳科学から見ると人間は自分にとって都合の良い情報を集める傾向にあるそうです。
強い願望が現れると、冷静な判断を失ってしまうかもしれませんね。
正しい知識で備えていきましょう。
金利ってそもそもなんだろう?
金利とは簡単に言ってしまうと、「お金の賃借料」です。
手元にお金がない場合、余っている人から借りてきます。
返す時にはお礼として少しだけ上乗せして返しますが、その上乗せ分が「金利」です。
この賃借の仕組みは、1200年前の日本に存在していました。
当時は稲や種を貸し、収穫後に上乗せ分を加えて清算していたそうです。
金利を表す4つの種類
①元金(がんきん)
借りた金額
②元本(がんぽん)
投資した金額
③金利、利率
お金の貸し借りに適用される賃借料で、元金や元本に対する割合(%表示)のこと。
意味は同じだが、使われ方が違う。
金利
「市場金利が上昇」などマクロの視点で使用。
利率
「定期預金の利率が1%」など金融商品の収益率に表す。
④利子、利息
元本に対する金利(利率)で算出された金額の事。
意味は同じですが、預金の場合は利息。
債権(お金を借りるために発行する証書)の場合は利子と使うのが一般的です。
資産運用を始める前に知っておきたい『実質金利』とは?
物価と金利の関係
物価が上昇する → 金利が上昇
物価が下落する → 金利が低下
①物価が上昇の気配をみせている場合
物価があがる気配をみせると、企業も個人も「値上がりする前に早めにモノを買っておこう」となる筈です。
企業は原材料を安い時期に仕入れ、個人も値上がり前に住宅や車、日用品を買い入れます。
この結果、モノ・サービスの売上が伸び、企業は銀行からお金を借入れ、生産・販売活動費や設備投資費用などを増やして儲けようとします。
お金の需要が増えるわけですから、金利は上昇します。
②物価がどんどん下落していく場合
誰だって「これからもっと値段がやすくなるのに、高い時に買うなんて馬鹿らしい」と思うのではないでしょうか。
そこで個人も企業も、今は預貯金に回して、値段が下がったら買おうと考えます。
すると、モノ・サービスは売れなくなって収益は減るので、企業は生産・販売活動費や設備投資費用などを削るようになります。
お金の需要は減るわけですから、金利は低下します。
実質金利から本当の価値を考える
実質金利 = 名目金利 - 物価上昇率
私たちが普段利用している預金や住宅ローンは「名目金利」です。
「物価上昇率」とは物価がどれだけ上げ下げをしているかという利率です。
日本では、総務省が毎月発表している消費者物価指数があります。
消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標となります。
実際の経済で見てみよう
(例)定期預金(預入期間一年)の金利は1%。物価上昇率3%。
1% - 3% = ▲2%
となります。
100万円の車をいつ買うか?
【現在】
・金利1%の定期預金(預入期間1年)
・物価の上昇率は3% / 年
・所持金 100万円
・購入しようとしている車は100万円
■プランA すぐに購入
①現金で車両100万円を購入。
②一年後には車両価格は103万円。
③2万円の得をする(103万円-101万円)
■プランB 1年後に購入
①定期預金に預入
②一年後、車両を購入。車両価格は103万円
③101万円 - 103=▲2万円
金利1%の定期預金(預入期間1年)に100万円預けても、1年後に受け取れるお金は101万円。103万円に値上がりした車は買えなくなります。
このように、名目金利が物価上昇率を下回っている場合、預金したお金はお金は実質的に減っているのです。
まとめ
2022.6に記事を作成していますが、今月から日用品が値上がりをしています。
帝国データバンクの調査では約3000品目が値上がりをするようです。
低金利で物価上昇をする環境で、資産運用のニーズが高まっています。
この記事では「金利から経済を学ぶ」を目的に作成しました。
私たちの生活に密着している金利。
焦らず、金利からニュースや経済を学ぶと大きな資産(知識)になるかと思い、私自身も日々学んでいます。
少しでも皆様のお役に立てますと幸いでございます。
次回:投資の金利・利回りに強くなろう
おまけ
オレンジ:GOLD(スポット価格) 青:実質金利
◇作成:サンクス保険サービス
◇データ出所:FRED
実質金利とGOLDには高い相関性があると言われています。
GOLDは歴史的に装飾品として人々を魅了し、通貨としての側面を併せ持ちます。
私もGOLDを調べ、GOLDから経済を学んでいる最中です。
是非、日々のニュースで追いかけてみてください。
※これは投資を促す記事ではなく、経済学を学ぶことを目的としています。ご理解いただきましてありがとうございます。